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2026-09-29

歯磨き中に血が出る…それって歯周病のサイン?初期症状のセルフチェックと進行ステージを歯科医師が解説

「歯が痛いわけじゃないのに、毎朝のブラッシングのたびに歯ブラシが赤く染まる」――南千住のタワーマンションにお住まいで、仕事も子育ても忙しい40〜50代の方から、こうした相談を受けることが少なくありません。「きっと磨き方が強すぎるだけ」と見過ごされがちですが、歯ぐきからの出血は歯周病が静かに進行しているサインである可能性があります。痛みがないからこそ放置しやすく、気づいたときには歯を支える骨が大きくダメージを受けていた、というケースも実際にあります。この記事では、歯周病の正体・進行ステージ・ご自宅でできるセルフチェック・放置リスクを、歯科医師の立場から順を追って解説します。

「最近、歯ブラシに血がつく」――それは歯周病の最初のサインかもしれません

歯ぐきの出血はなぜ起こるのか

健康な歯ぐきは、丁寧に歯磨きをしても出血しません。出血が起きている場合、その部位の歯ぐきに炎症が生じているサインです。

歯周病とは、歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨から構成される歯周組織に起こる疾患の総称で、炎症の進行範囲に応じて「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。歯ぐきだけに炎症が限られている段階が「歯肉炎」、炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで及んだ段階が「歯周炎」です。

歯周病の原因である細菌の塊(デンタルプラーク・デンタルバイオフィルム)が歯と歯肉の境界付近に溜まると炎症が起き、歯肉炎が始まります。しかし歯肉に痛みなどの自覚症状はないため、そのまま放置されることが多く、歯と歯肉のすきまからプラークが侵入を始めます。

歯ブラシに血がつく、朝口をすすいだら水が赤くなる――これらは「歯ぐきに炎症がある」という体のシグナルです。痛みがないからといって問題がないわけではありません。

「ちょっと磨き過ぎ」では片づけられない理由

e-ヘルスネット(厚生労働省)によると、歯周ポケット保有者の割合は年齢が増すにつれて高い傾向を示し、45歳以上では過半数を占めます。また全年齢層の約4割の人に歯肉出血が認められます。

つまり、歯磨き中の出血は「珍しい異変」ではなく、ごく一般的に起きているサインです。だからこそ見過ごされやすく、対処が遅れがちです。

当院では初診時に、歯周ポケットの深さを専用の細い器具(プローブ)で1本1本丁寧に測定する歯周組織検査を行います。「血が出ているけどそこまで痛みがない」という方も、まず現状を数値で把握することが大切です。検査結果はモニターで共有し、アニメーションを使ってわかりやすくご説明しますので、専門用語が苦手な方もご安心ください。

歯周病はなぜ「静かに進む」のか

歯周病は、特に初期の段階では自覚症状がほとんど出ないため、歯科医療機関での検査を受けないと正確な診断を行うことはできません。

痛みが出る段階は、すでに歯周組織の破壊がかなり進んでいることを意味します。「痛みがないから大丈夫」という判断が、かえって治療を難しくすることがあります。

歯周病の進行は4段階――あなたの口はいま、どこにいる?

歯周病の重症度を把握するため、現在は国際的な分類(ステージ・グレード分類)が歯科臨床で用いられています。

歯周炎の重症度・複雑度が4つのステージ(ステージ1が最も軽症、ステージ4が最も重症)に、歯周炎の進行リスクが3つのグレード(グレードAが最も低いリスク、グレードCが最も高いリスク)に分けられ、グレードの決定に関しては喫煙や糖尿病といったリスクファクターが勘案されることとなりました。

各ステージをかみ砕いて説明します。

ステージⅠ・Ⅱ(初期〜中等度):出血・腫れが主な変化

この段階では、歯ぐきが赤く腫れやすく、歯磨きの際に出血が起こります。歯肉炎と同じように、歯の清掃時以外はいつも歯肉出血するわけでもなく、顕著な痛みはないため放置されることが多く、ますます歯周炎が進行して歯がグラグラしたり、歯が移動したりしていきます。

ステージⅠは歯周ポケットが4mm程度、ステージⅡでもまだ歯を支える骨の喪失は初期段階です。歯周炎の初期段階、すなわち歯槽骨が溶け始め、歯周ポケットの深さが4mm程度の状態は「軽度歯周炎」です。軽度歯周炎の症状は、歯肉炎と同様、歯肉の発赤腫脹、歯磨きなどの刺激で出血する程度で、痛みのない自覚症状はありません。

この段階で適切な治療とセルフケアを始めることで、進行を食い止めることが期待できます。

ステージⅢ(重度):歯がグラつきはじめるサイン

歯周ポケットが6mm以上に深まり、歯を支える骨(歯槽骨)が大きく溶けた状態です。歯ぐきの腫れや出血だけでなく、歯と歯ぐきの境目の部分が壊れて隙間が深くなり、歯周ポケット(真性ポケット)を形成します。プラークがさらにこの隙間に沿って侵入すると、根の先の方へとさらに破壊が進行していきます。そうすると歯を支えている歯根膜線維や歯槽骨が壊されて、歯がぐらぐらと揺れるようになってきます。

口臭や食べ物が噛みにくいといった症状が現れることもあります。

ステージⅣ(末期):歯の喪失リスクが高まる段階

ステージⅢあるいはステージⅣと分類された症例では、咬合崩壊、歯の病的移動、あるいは歯周炎により喪失した歯が5歯以上といった特徴がみられます。

放置すると最終的には歯を失うリスクが高まります。2018年に8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によると、第1位は歯周病で37.1%を示しています。第2位はう蝕で29.2%です。年齢階級別にみると、働き盛りの40代からは歯周病の数字が年々増えています。歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因です。

当院では、セファロ付きCTで歯槽骨の吸収状態を立体的に把握するとともに、マイクロスコープを活用した精密な歯周組織の検査・処置を行っています。「今、自分はどのステージにいるのか」を正確に診断したうえで、治療計画を一緒に考えることを大切にしています。

今すぐできる!歯周病セルフチェックリスト8項目

以下の項目に、いくつ心当たりがありますか?

セルフチェックリスト

以下の項目を確認してみてください。

# チェック項目
① 歯磨き中、歯ブラシに血がつくことがある
② 朝起きると口の中がネバネバしている
③ 歯ぐきが赤く腫れている気がする
④ 以前より歯ぐきが下がり、歯が長く見える
⑤ 口臭が気になる、または他人から指摘されたことがある
⑥ 硬いものを噛んだとき、歯がグラグラ・ズキっとする感覚がある
⑦ 歯と歯のすきまが広くなってきた気がする
⑧ 喫煙習慣がある、または血糖値・糖尿病を指摘されたことがある

1〜2個: 軽度のリスクがある状態です。セルフケアを見直しつつ、次回の歯科受診時に相談してみましょう。

3〜5個: 歯周病の初期〜中等度が疑われます。早めに歯科医院で検査を受けることをお勧めします。

6個以上: すでに歯周炎がある程度進行している可能性があります。できるだけ早いご来院を。

チェック⑧に要注意:喫煙と糖尿病は歯周病を加速させる

喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく、悪化しやすいことがわかっています。喫煙者への歯周病の治療効果は低く、治療後の治りが悪いです。

さらに、歯周病は全身疾患(糖尿病・関節リウマチ・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞等)との関連が報告されており、全身の状態や生活習慣についても把握することが重要です。

糖尿病をお持ちの方は免疫機能が低下しやすく、歯周病が悪化しやすい傾向があります。加えて、歯周病による慢性炎症が血糖コントロールを難しくするという双方向の関係も指摘されています[1]。

喫煙者は出血が少なくても油断禁物

喫煙者では血管収縮による血行不良により炎症が抑えられるため、歯ぐきの出血や腫れが現れにくいことがあります。「血が出ていないから大丈夫」と感じやすいのですが、これはむしろリスクを見えにくくしているサインです。煙草を吸われている方は、自覚症状がなくとも定期的な歯周組織検査を特にお勧めします。

放置するとどうなる? 歯周病が全身に及ぼす影響

歯を失うだけでは終わらない

歯周病は成人の約7割が罹患しており、進行した歯周病のある者の割合は改善していない状況にあります。また、糖尿病や循環器疾患などの全身疾患と歯周病の関係が指摘されるなど、口腔の健康と全身の健康が注目されています。

歯周病は「歯だけの問題」ではありません。口の中で増殖した歯周病菌が血流に乗って全身に広がると、さまざまな臓器に影響を及ぼす可能性があります。

心臓・血管・糖尿病との深い関係

重度の歯周炎により体内の炎症レベルを高めた病的状態には体への悪影響の危険性があり、歯周病を放置しないことが大切です。また、歯周病を有する者は有しない者と比較して虚血性心疾患の罹患率が有意に高いことが報告されています。

日常の歯磨きや食事の際に歯ぐきから細菌が血流に入ると、動脈硬化のリスクを高めたり、糖尿病の血糖コントロールを難しくしたりする可能性が研究で示されています[1]。健康寿命を守るうえでも、口腔の健康管理は欠かせない要素の一つです。

早期対処で変わること

歯周病は、進行段階が初期〜中等度であれば、プロフェッショナルによる歯石・プラーク除去(スケーリング)と適切なセルフケアを組み合わせることで、症状の改善が期待できます。歯ぐきの状態を安定させ、それを維持するための定期的なメインテナンスが、長く自分の歯を使い続けるための近道です。

日本歯科医師会によると、プロフェッショナルケアは年2回以上受けることが理想とされています。

当院では、治療後のメインテナンス(定期クリーニング)の際にも、口腔内スキャナー(iTero Lumina)や必要に応じてCT画像を用いながら、歯周組織の変化を継続的に確認しています。「歯周病と言われたけど治療後が心配」という方も、ご遠慮なくご相談ください。

まとめ

  • 歯磨き中の出血は歯周病のサインである可能性が高い。 痛みがなくても油断は禁物で、炎症が進行している可能性があります。
  • 歯周病は4つのステージで進行する。 歯周ポケット保有者の割合は45歳以上では過半数を占め、40〜50代は特にリスクが高い年代です。
  • セルフチェック8項目のうち3個以上に当てはまる場合は早めの受診を。 喫煙者・糖尿病の方は症状が出にくい場合があり、より注意が必要です。
  • 歯周病は全身疾患(糖尿病・虚血性心疾患など)との関連が指摘されており、 口腔の健康管理は全身の健康にもつながります。
  • 初期〜中等度の段階であれば、適切な治療とセルフケアで症状改善が期待できます。 定期的なプロフェッショナルケアが歯を守る近道です。

南千住・汐入エリアにお住まいで「歯茎から血が出る」「口臭が気になる」と感じている方は、お早めにご相談ください。南千住OK歯科・矯正歯科は、東京メトロ日比谷線・JR常磐線・つくばエクスプレス「南千住」駅から徒歩1分。月〜土9:30から診療しており、土曜診療にも対応しています。初診費用(保険適用)の目安は約3,000〜5,000円です。検査結果はモニターでわかりやすく共有し、納得してから治療を進めます。ネット予約・LINE予約は24時間受付中です。お電話の場合は 03-6806-7707 までどうぞ。セカンドオピニオンも歓迎しています。

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

参考文献

[1] 厚生労働省「歯周病検診について」mhlw.go.jp

[2] e-ヘルスネット(厚生労働省)「歯周疾患の有病状況」kennet.mhlw.go.jp

[3] e-ヘルスネット(厚生労働省)「喫煙と歯周病の関係」kennet.mhlw.go.jp

[4] 日本歯周病学会「歯周炎の診断と予後に関する基礎知識」日本歯科保存学雑誌 64巻1号(J-STAGE)jstage.jst.go.jp

[5] 日本歯周病学会「歯周病の新分類への対応」perio.jp

[6] 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020 歯周病」jda.or.jp

[7] 日本歯科医師会「歯の学校 キーパーソン・メッセージ」jda.or.jp

[8] 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に係る歯周病対策ワーキンググループ 開催要綱」mhlw.go.jp

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