毎朝鏡を見るたびに、歯の黄ばみがふと気になる。「市販の歯みがき粉で十分なのか、クリニックに行くべきか……」と迷いながら、結局何もしないまま時間が過ぎている——南千住から都心へ通勤される方の中にも、そんな方は少なくないのではないでしょうか。実は「ホワイトニング」という言葉には複数の手法が含まれており、仕組みも効果も費用もリスクもまったく異なります。今回は歯科医師の視点で、それぞれの違いをできるだけ正直にお伝えします。
「ホワイトニング」と一口に言っても3種類ある。何が違うの?
そもそもホワイトニングとは何か
狭義のホワイトニングとは、過酸化物等を用いて化学的に歯の着色・変色を除去して歯を白くする方法であり、当初は「漂白(ブリーチ)」と称されていました。1980年代半ばに「ホワイトニング」という呼び名が広まり、特に患者さんの間ではこの用語が急速に普及しました。
一方で、「医療ホワイトニング」以外にも、脱毛サロンやエステなど医療機関以外が提供する「セルフホワイトニング」などのサービスも増加しており、患者にとっては区別がつきにくい状況となっています。
大きく整理すると、ホワイトニングには以下の3種類があります。
- オフィスホワイトニング:歯科医院で受ける施術(医療行為)
- ホームホワイトニング:歯科医院で作ったマウスピースと専用薬剤を使い、自宅で行う施術(医療行為)
- 市販品・セルフケア:薬局や通販で購入できるジェル・歯みがき粉など(医療行為ではない)
医療ホワイトニングの2種類:オフィスとホーム
狭義のホワイトニング(医療ホワイトニング)には、生活歯を対象として診療室で施術されるオフィスホワイトニングと、家庭でマウストレーを用いて行うホームホワイトニングがあります。また、この二つを組み合わせたコンビネーションホワイトニング(デュアルホワイトニング)も行われています。
「医療ホワイトニング」は、歯科医療機関で歯科医師の検査・診断の結果に基づいて、歯科医師あるいは歯科衛生士が国によって製造・販売が認められているホワイトニング材(医療機器)を用いて行うホワイトニングと定義されます。
歯のホワイトニングは、歯質保存的で費用対効果の高い審美的な歯科治療として普及が目覚ましく、わが国のオフィスホワイトニング材はすべて光照射を必要としています[1]。
市販品・セルフホワイトニングの位置づけ
市販の歯みがき粉や市販ジェルは医療行為ではないため、使用できる有効成分の濃度が医療用とは異なります。厚生労働省が令和5年(2023年)に「歯科用漂白材等審査ガイドライン」を定めており、医療機器として承認されたホワイトニング材と市販品とでは法的区分も異なります[2]。
市販品の主成分は研磨剤・ポリリン酸などで、歯の表面についた外因性の着色(ステイン)を落とす効果はある程度期待できます。しかし、歯の内部の色素(内因性変色)を漂白する力は医療用に比べると限定的です。
オフィス・ホーム・市販品を表で比較
3種類の仕組みの違い
オフィスホワイトニング(オフィスブリーチ)は、診療室内で行われる漂白処置法で、過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯面に塗って光線を照射します。1回の所要時間は約1時間程度で、通常3〜6回の通院が必要です。ホームホワイトニング(トレーブリーチング)は、漂白剤として10%過酸化尿素ゲルを漂白用トレー(個人の歯型に合わせた専用マウスピース)の内面に入れて歯に被せると過酸化尿素が徐々に分解して低濃度の過酸化水素が発生します。1日2時間のトレー装着を2週間続けるのが基本です。
以下に3種類の主な特徴を整理します。
| 項目 | オフィスホワイトニング | ホームホワイトニング | 市販品・セルフケア |
|---|---|---|---|
| 施術場所 | 歯科医院 | 自宅 | 自宅 |
| 主成分 | 高濃度過酸化水素 | 過酸化尿素(低濃度) | 研磨剤・ポリリン酸など |
| 即効性 | ○(1回〜) | △(2週間程度) | △(ステイン除去のみ) |
| 白さの持続 | △(後戻りしやすい) | ○(比較的長持ち) | △(着色除去のみ) |
| 知覚過敏リスク | 中〜高 | 低〜中 | 低 |
| 費用感 | 高め | 中程度 | 低い |
| 医師の関与 | あり(必須) | あり(初回に必須) | なし |
白さの持続期間について正直に言うと
いずれの漂白法においても多少の後戻りを生じる可能性がありますので、白さを維持するためには定期的に歯科を受診して、チェックとクリーニング、そして必要に応じて再漂白を受けることが大切です。
ホームホワイトニングは即効性に劣る薬剤を使用するために治療途中で挫折する患者が出現することがあり、ホワイトニングではプラークやステインが遅延要因として作用するため、トレー装着前にプラークコントロールを励行させることが効果を最大化するうえで重要とされています[3]。
白さの持続にはメンテナンスが欠かせない、という点は医療ホワイトニング・市販品いずれでも変わりません。
当院で確認していること
当院では、ホワイトニングを希望される方に対して、まず口腔内の状態を確認します。むし歯・歯周病がある状態でホワイトニング薬剤を使用すると、症状を悪化させる可能性があるためです。検査結果はモニターで患者さんと共有し、アニメーションを交えながら「なぜ今の状態でこの方法が適しているか(または待つべきか)」を丁寧にご説明します。
費用の目安と効果が続く期間:クリニックと市販品の差
費用目安の考え方
ホワイトニングはいずれの方法も保険適用外(自費診療)です。費用は医院や使用する薬剤によって異なりますが、一般的な目安として以下のような水準が示されています。
- オフィスホワイトニング:1〜数回のコースで概ね2万〜7万円程度
- ホームホワイトニング:マウスピース製作費込みで2万〜5万円程度
- デュアル(オフィス+ホーム併用):5万〜10万円程度
- 市販の歯みがき粉・ジェル:数百円〜5,000円程度
当院でのホワイトニングの費用・プランについては、まず歯の状態を確認したうえで個別にご案内しています。初診(保険診療)の費用目安は3,000〜5,000円程度です。
持続期間の差:「白さが長持ちする」の意味
ホームホワイトニングはオフィスブリーチに比べると後戻りも少ないのが特徴です。一方、オフィスブリーチは短時間で白くする処置ですので、漂白効果・後戻りともに個人差が大きいのが特徴です。
一般的に、オフィスホワイトニングの効果持続期間は半年〜1年程度、ホームホワイトニングは1〜3年程度を目安とすることが多いですが、食事習慣(コーヒー・赤ワインなど着色しやすい食品の頻度)や口腔清掃状態によって大きく異なります。
市販品は基本的にステイン除去が主体のため、「もともとの歯の色より白くする」という効果は医療ホワイトニングと比べると限定的です。
詰め物・被せ物がある場合の注意点
ホワイトニング薬剤は天然歯のエナメル質に作用しますが、セラミックや金属の詰め物・被せ物は白くなりません。したがって、詰め物が多い方や前歯に補綴物がある方は、ホワイトニング後に色の差が目立つ場合があります。当院では事前に口腔内を確認し、補綴物の有無も含めて効果の見込みをご説明します。
知覚過敏リスクを正直に説明します
ホワイトニングで「しみる」のはなぜか
ホワイトニング(歯の漂白)治療によって、一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあります。ホワイトニングで使う薬剤による影響であると考えられますが、詳細なメカニズムは不明です。家庭で行うホームホワイトニングの場合、1〜2日間ホワイトニングを中断すれば症状は消え、再びホワイトニングを続けることが可能です。また、ホワイトニング治療が終了すれば、知覚過敏もなくなるのが通例です[4]。
つまり、知覚過敏は一過性であることがほとんどですが、もともと知覚過敏がある方や、歯根が露出している方、エナメル質が薄い方は症状が出やすい傾向があります。
オフィスとホームで知覚過敏リスクは違う
オフィスホワイトニングで使用する薬剤はホームホワイトニング用より濃度が高く設定されています。そのため、即効性がある反面、短時間での刺激が強くなる可能性があります。
オフィスブリーチでは多少知覚過敏を生じることがありますが、通常一時的なものであまり心配することはありません。ただし知覚過敏が強く出てしまった場合には先生に相談して適切な処置をしてもらうと良いでしょう。
ホワイトニングが向かないケース
下記のような方はホワイトニングの適応外、あるいは慎重な判断が必要です。
- むし歯・歯周病が治療されていない方
- 妊娠中・授乳中の方
- 18歳未満(歯の形成が完了していないため)
- テトラサイクリン系抗生物質による重度変色歯(効果が限定的)
- 神経を取った失活歯(別の方法が適している)
食べ物や飲み物が原因で歯が着色してしまう場合や、むし歯や病気・薬によって変色してしまう場合など、様々な原因があり、解決方法も異なります。気になる場合は歯医者さんで診てもらい、ホワイトニングの最適な方法を相談することが大切です[5]。
当院では、痛みに配慮した治療を方針として掲げており、貼るタイプの表面麻酔や細い針での麻酔注射などを日常的に行っています。ホワイトニングに際しても、知覚過敏のリスクが高い方には処置の順序や薬剤の濃度調整についてご提案できます。
まとめ
- ホワイトニングは大きく3種類(オフィス・ホーム・市販品)。仕組み・薬剤濃度・法的区分がそれぞれ異なる。
- 医療ホワイトニング(オフィス・ホーム)は歯科医師の検査・診断が前提。むし歯や歯周病がある状態では行えない場合があり、事前確認が必要。
- 即効性ならオフィス、持続性・後戻りの少なさならホームが一般的な特徴。両者を組み合わせるデュアルホワイトニングも選択肢のひとつ。
- 知覚過敏はホワイトニングの代表的な副作用だが、多くは一時的なもの。もとから知覚過敏がある方・歯根露出がある方は事前に相談を。
- 詰め物・被せ物は白くならないため、補綴物が多い方は事前に効果の範囲を確認することが重要。
「歯を白くしたいけど、自分の歯に使っていい方法なのかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。南千住駅から徒歩1分の南千住OK歯科・矯正歯科では、まず歯の状態を確認したうえでホワイトニングの適否とプランをご説明します。土曜日も診療しており、WEB・LINEから24時間ご予約が可能です。クレジットカードでのお支払いにも対応しています。お電話は 03-6806-7707 まで。まずは一度、お気軽にご相談ください。
はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。
参考文献
[1] J-STAGE 日本レーザー医学会誌「歯科の審美治療―歯のホワイトニング―」jstage.jst.go.jp
[2] 厚生労働省「歯科用漂白材等審査ガイドラインについて(令和5年4月21日 薬生機審発第421001号)」mhlw.go.jp
[3] J-STAGE 日本顎咬合学会誌「ホワイトニングが登場して審美的な構成要素のひとつを操作できるようになり……」jstage.jst.go.jp
[4] 日本歯科医師会 テーマパーク8020「知覚過敏」jda.or.jp
[5] 日本歯科医師会「お口のなんでも相談 ホワイトニング」jda.or.jp